イベント盛りだくさんだったカナダ留学

 私がカナダに留学しようと思い立ったのは、特に英語を話せるようになりたかったから・・・ ではありませんでした。もちろん英語を自由に理解できるようになる事も留学の大きな目標ではありましたが、それが一番の決め手になった理由というわけではなかったのです。高校生活の貴重な一年を丸々使ってまで日本から、そして家族や友達から離れてまで、遠いカナダへ行った理由。それは「外国の同年代の学生生活に対する好奇心を満たすため」と、とにかく自分の周りの環境を変えてみたかった。何か脱皮したかったのかもしれません。
最初のホストファミリーはその家庭の二人の子供を含めて常に留学生が出入りしている大家族でした。夏休みは特に留学生が多い季節らしく、私を含めてなんと7人の子供が一つの家にいたのです。学校が正式に始まるまでのステップとして語学学校へ二週間通う間のステイ先だったのですが、与えられた部屋も広くてきれいで、家の人たちも他の留学生(ホームメイト)も親しみやすく賑やかで楽しいステイ先でした。ホームシックにもならず、週末にはホームメイトがショッピングモールへ連れて行ってくれたりして、まだお金の使い方すら分からない私をとても助けてくれました。
語学学校が終わって、次はオリエンテーションです。語学学校では"とにかく英語を聞いたり話したりするのに慣れる"ことが目標でしたが、オリエンテーションでは"カナダの基礎知識と英語での授業の受け方"を習いながら友達を作ることが目標になりました。英語での授業の受け方というとおおげさですが、要するに授業の中で出てくる英語の言い回しのことです。このオリエンテーション期間の中で、自分が住む所の地形を大体把握しました。バンクーバーにはコンビニやちょっとした店があまりなくて、住宅地とショッピングモールがはっきり分かれています。
 そして、9月からいよいよセンチネル高校の授業が始まるので本格的なホームステイ先へ移ることになりました。そこは一ヶ月いましたが、ドイツ系のおばあさんの一人暮らしと大きな犬がいる家でした。ホストのお料理は美味しかったのですが、夜は8時過ぎに寝てしまうので、それ以降の電話が禁止等、ライフスタイルが合わなくてちょっとしんどいかなぁ、という感じでした。一ヵ月後には別のステイ先に移ることになるのですが、私がそれを希望した最大の理由はなんと言ってもシャワーを浴びる時に換気扇が無いため冬でも窓を開けて浴びなければならないことと、トイレのたびにタンクの水に手を突っ込んで水道の栓をしめなければならない等でした。こういう事は学校の相談室のようなところで交渉すればステイ先を変えてくれます。無事、代わりのステイ先が見つかり学校も家からバスで5分、乗り損ねても徒歩15分と交通の便は良く、また環境を変えて心機一転というところでした。
 授業の内容ですが、基本的にはそんなに難しくありません。歴史ではたまにフランス語が入るので覚えにくいことがありますが、数学はさすがに簡単でした。といって勉強しないでいると聞き取れない単語がテストに出てきたりして、油断は出来ないのでした。毎日宿題が出るので平日は帰宅してすぐに宿題を済ませて、後は自由時間としてゆったり楽しんでいました。特に楽しかったのはフード、つまり料理のクラスです。カナダの料理ばかり習うので元々料理好きな私にはいい経験になりました。が、ペーパーテストとなると半分解くのが精一杯でした。
理科は歴史に並ぶ苦手な教科の一つでした。なんといっても単元ごとに覚えなければいけない単語が多く、次々覚えていかないと先生が何を説明しているのかも分からなくなってしまう科目でした。新しい単語はいつもメモして必死で覚えるようにしました。
学校側のイベントでは、何かといってはパーティがあるのも日本ではちょっとないものでした。パジャマで登校してきた生徒は食堂でマフィンをやすく買える"パジャマデイ"とか、ハロウィンには仮装コンテストまであり、その日は仮装のままで一日授業を受ける生徒もいたりして、書けばキリがないのでこのくらいにしておきますがとにかくイベントの多い学校でした。
冬には友達と4日間泊りがけでスキーに行ったりしましたが、一番強烈な思い出はなんといってもアメリカのシアトルまで友達とコスプレ大会に行った事です。コスプレを生で見たのは生まれて初めてでした。日本のキャラクターが主で、日本の漫画やアニメが海外に進出しているというのは本当だなぁと実感しました。しかもその大会は1997年から始まっているのです。これも驚きでした。
 今回の留学でカナダのことも知ることが出来たのですがそれ以上に日本に対する想い、愛国心が一層強くなったように思います。日本では家と学校の往復のような毎日を過ごしていた私が急に海外に行くことになり親をびっくりさせましたが、ホームシックにもならずあっという間の一年でした。あっという間でしたけれども、たくさんの貴重な経験と思い出が詰まった私の一年。大切にしていきたいと思います。

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  大庭さん
 

大庭 咲子さん

大阪女学院高等学校よりカナダウェストバンクーバー教育委員会
センチネル高等学校へ1年間留学。
2007年4月関西大学入学。

 

 

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